ずっと売り切れ状態だったから、店頭で平積みされてるのを見つけたら、何も考えずに手に取っていた。
ただの興味本意だと思われたら、それでもいいと思ってる。
でも、役者としての水嶋ヒロの底力を感じていたから、期待はしていた。
とはいえ、予約してまでも、という気はあったので、店頭に並ぶのを待っていたのだ。
面白かった。
どんどんどんどん読み進めていけた。
つまずいたり後戻りすることなど一切なく、ページを繰るのは快感だった。
近未来のような、SFのような、夢物語のような。
それでいて現実味も帯びていて。
アタマで状況を理解しながら、ココロで深く感じていく。
そんな過程が、単純に、面白かった。
そこには何も“特別”なんかなくて、素直に静かな感動を胸に去来させた。
いろいろな酷評だのなんだのってのは、結局のところ、妬みに過ぎないんだろう。
出る杭は打ちたくなるし、天は二物を与えずと信じたいだろうし、それが大衆の性ってなものだ。
これを書いたのがヒロじゃなければ、たぶん私は手に取らなかったかもしれないけれど(だって恋愛依存体質だから)、これを書いたのがヒロじゃなくても、読めば興味深く楽しめる作品だった。
ふと、学生の頃に読んでた筒井康隆の不合理とSFチックがない交ぜになったショートショートを、思い出していた。
今日は冬至ですからね。
なんきん食べましょ。
ゆず風呂にも入りましょうね。