ある人の歌声を聴いていて…。
その歌い方を聴いていて…。
あまりに似ていて、違う人を思い出して、夜中に叫びそうになりました。
繰り返し聴いていると、決して同じではないことに気づくんですが…。
好きになる人の共通点だったのか?って、勘違いしちゃいそうな…。
でも。
最初に聴いた時の衝撃は、実は、少しつらいものでした。
いろんなことを考えた上で、降ろした看板。
なのに、ふとした時、口をついて出てくるフレーズに、自分でも一瞬、たじろいでしまいます。
こびりついてるんだな、自分の中に…。
“何もしない”ことが、私に出来る精一杯のことだと判断して、だからずっと黙っているけれど。
他に出来ることも、他に何もないし。
生きていくことは、そんな簡単なことじゃないんです。
昨日も書いたけど。
だから、時には気も抜くし力も抜くし手も抜くけれど、逃げたくない。
楽な方に走れば、楽な生き方を知ってしまえば、甘い誘惑もあるだろうけれど、そんな甘いもんじゃない。
才能があるんだから、人の心を動かす力があるんだから、それを無駄にしてほしくない。
身を削る思い、だと、思います。
新しい作品を生み出すことは、そんな簡単なことじゃない。
実際、先日のジュンスカのライヴで、和弥もそう言っていました。
けれど、だからこそ、それが、“生き方”になるんじゃないでしょうか。
役者でも、ミュージシャンでも、芸事で身を立てることは、きっと、いろんな意味で紙一重の世界。
金も、運も、チャンスも、名声も、自分自身の手で掴み取らなきゃならない。
自分から働きかけなければ、誰も振り向いてなんてくれない。
偶然とも思えるめぐりあいでさえ、実力で引き寄せなければならないのかもしれない。
素人の戯言かもしれませんが、その覚悟がないと、生きていける世界ではないはずです。
今、私のいちばんの心残りは、ライヴを観られなかったことです。
生身の姿に、直に接することが、出来なかったことです。
結局、ファンの望みなんてそんなもので、その裏でどんな思惑がうごめいていようが、それは、本来は直接関係のないことだったりするのかもしれなくて。
…実は、とても大事なことなんだけれど。
テレビでにこやかに歌う人の姿を見たり。
でもその人も這いつくばって生きてきていることを読んだり。
また違うような同じ世界で生きている人を見たり。
そうでない人のことを読んだり。
同じ世界なのに、あちらこちらに矢は伸びていて、その矢を拾ったり捨てたり投げたり抱きしめたりしながら、一般人の私は、今日も生きています。