読書を大の苦手とする私が、ものの数日で、読破してしまいました。
だって、ぐいぐい引き込まれていくんですもん、次々と読み進めてしまうんですもん。
しかも、杉ちゃん、俳優の杉原勇武さん
【→コチラ】も読んでるところだなんて!!!!!
…杉ちゃんも、もう、読み終えたかな(^^ゞ
お茶のお稽古を一緒にしてるお友達が、貸してくれたんです。
タイトルにもなってる“雪月花”。
(あ、ヲタ弟のHNは関係ないっすよ。)
この小説の中で、殺人トリックの1つに使われている、茶道のお点前の様式のことなんですが。
ここで用いられているのは、お裏さん(裏千家)で行われているという、いわば応用型的な“雪月花之式(せつげつかのしき)”なんですが、この元ともいえる“花月(かげつ)之式”を、今、お稽古で取り組んでいるんです。(ちなみに私は表千家です。)
「花月百回朧月(かげつ・ひゃっかい・おぼろづき)」と言われるほど、100回やってもおぼろげにしか理解できないような、こと細かな、且つ、入り組んだルールがあるんですよね。
小説の中にも出てくるように、右足から出るのか、左足から引くのか、といったような身体の動きもそうです。
また、これは小説の中では触れられていませんが、畳の目数によって、札(ふだ)を置く位置や、札を入れた折据(おりすえ)の位置が決まっていたりします。
折据が何目で通い、また、開けられているのか閉められているのか、あるいは、斜めを向いているのか真っ直ぐ向いているのかで、意味が変わってくるんです。つまり、人が声を発してしゃべるのではなく、折据に“しゃべらせる”わけです。
小説では、いわばクジ引きゲームとも言える花月(雪月花)の小さな札を、トリックの道具として用いていました。
これは、しかし、おおまかな身体の動き(移動)と、それに合わせた札の動きにおけるルールさえ把握していれば、出来ることです。
まあ、そこに達するまでの修業は必要なんですけど。
そんなこともあって、小説の中でこの“雪月花之式”が行われるシーンは、ありありと目に浮かんで読んでいくことが出来ました。
だから、なおのこと、面白く引き込まれていったのかもしれませんね。
花月を含め、全部で7種類ある、茶道の上のお稽古となる七事式(しちじしき)。
より高度な修業ではあるのですが、言ってみれば、いずれも“お遊び”。
昔の、余興の少ない時代の人たちが、ある程度の作法を心得た上で、さらに面白くお茶をいただくために考え出した、楽しみのひとつだったんでしょうね。